フェラーリの歴史の中で、その傑出した美しさから、走る宝石と称された”ディーノ”。数々のレースで培われた伝統のV6ユニットをドライバーの背後に搭載した、フェラーリ量産車初のミッドシップモデルです。エンツォの亡き息子の愛称であるディーノの名を冠したこのスポーツカーは、フェラーリ中期のマスターピースの一つに挙げられ、現在でも世界中のエンスージャストたちから愛されています。誕生した1968年から、年々改良を施しながらその生産台数を伸ばし、終了する1974年までに生産された台数は約5,200台と、フェラーリとしては異例の生産台数を記録しています。

イギリスのインポーターである”Maranello Concessionaires Ltd”が、1971年の冬に開催されるロンドン・アールズコートモーターショーに展示するエキシビジョンカーとしてオーダーした個体が、今日ご紹介する”Dino 246GT c/n : 02524″です。ファクトリーのレコードによると、オーダーボディカラーは”Bianco Polo Park”、組み合わされるインテリアカラーはブルー、オプション装備としてパワーウィンドウが追加記載されています。モーターショーの展示後、ロンドンのディーラー”Dick Lovett”を経て、モータースポーツエンスージャストとして名高く、スターリング・モスを擁して、1961年のMonaco GPをはじめ、Goodwood Tourist Trophy等で数々の勝利を収めた、ロブ・ウォーカーレーシングチームの総帥、ロブ・ウォーカー氏にファーストデリバリーされました。

以上のエビデンスとしてFerrariファクトリーのビルドシートおよび、Maranello Concessionairesのドキュメントが付属されるとともに、ロブ・ウォーカーからフライホイルのリングギヤが欠けたとの指摘で初期クレーム修理を行った際のインヴォイスなど興味深いドキュメント類が多数残されています。

イギリスでの興味深いヒストリーを残すこの個体の新たなストーリーを紡いでいただける方にぜひご検討いただければ幸いです。フルレストレーション済み。Ferrari Classiche Certificationが付属します。

また、2023年10月に愛知県名古屋市にて開催された「COPPA CENTRO GIAPPONE2023」のコンクール・デレガンス、トリノクラスのウィナーを獲得いたしました。